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小さな子供に本物のナイフや工具を与えるなんてとんでも無い!と子供を出来るだけ危険なこと、リスクがあることから守ろうという傾向があるようです。実際12歳ぐらいになるまでナイフ(バターナイフや子供用ナイフを除いて)を使わせない親も多いよう。
ただ実は私たちが思う以上に子供たちは5、6歳の年齢から、ナイフや工具などの危険性のある道具を使う能力があるんです。そしてそれらのリスクを管理する能力もあるといいます。若い頃からそれらの本物の道具を使った経験は、彼らの自信や自立心の成長に役立つのです。
ノルウェーの大学で行われたリサーチにおいて、子供の安全性やリスクに対し柔軟なアプローチを行った場合、彼らの判断力がより正確になり、結果としてより安全性の向上につながったと報告しています。
高い場所、水辺、保護者から距離を置くこと、そして危険性のある鋭利なツール等は子供たちの身の回りに存在しています。それらから子供を隔離することよりも、彼らにそれらリスクのある経験を与えることが、結果として子供たち自身を安全にすることになるのです。
但し子供たちにナイフなどのツールを与える場合は親や保護者には若干のガイドラインが必要です。ただ道具を与えるだけでなく以下の様なポイントがあります。
1.品質のより使い勝手の良い本物の道具を与えること。切れないナイフやハサミは大人が使ってもイライラするものです。ですので品質の良い道具を子供に与えることは、子供を人として尊重することなり、それを使うことで自信にもつながるのです。但し本物であっても子供の手のサイズにあった小さなサイズ、そして木や金属で出来た作りの良いものが最適です。
2.見守ること。道具を与えたら、子供がそれを使う間は見守ってあげましょう。安全のための手袋やメガネを与えることも良いでしょう。そして使い終わったら、道具を片付けて他の人のために安全を確保する事の大切さや、一緒に作業することで共同作業のスキルを学ぶことになるでしょう。
3.プレッシャーを与えない。子供は(大人もですが)楽しくなかったら続きません。特に若い子供の集中力は短いですので、途中で飽きたり、他に気が移ることは良くあります。だからといって無理に最後まで作業を続けさせようとしてはいけません。親としては学ぶ機会、経験うる機会を与えるだけで充分と考えるべきです。
4.細かく教えない。最初に簡単に道具の使い方を教えたら、後は自分で試させましょう。自分で試すことから発見や学びが得られます。大人は教えるのではなく、子供が学ぶのをサポートするという立場に徹する姿勢が大切です。
私たちの身の周りにあるものは全て誰かが作りだしたものです。それを作り出すには多くの工具やツールが使われています。若い年齢からそれらを使うこと、そしてメカニズムを理解することは、将来に渡って学ぶことの基礎になるでしょう。
若い頃から子供にキッチンナイフを与えて一緒に料理をしてみましょう。野菜の皮剥いたり、切ったりする事、そして実際に料理をすることに関わることにより、各種の食材に興味を持ったり、料理することで家族の一員としての意識が芽生えるかも知れません。そして自分で切ったり、作った料理を自分で食べることで喜んで野菜も食べることでしょう。
・・・等々と、子供が危険性のある本物の道具を使うことについて、今回は話しています。